2016年06月30日 09:03
「夏越(なごし)の祓(はらい)」が多くの神社で営まれる30日に合わせて、京都市の各和菓子店ではつややかで涼しげな水無月(みなづき)作りがピークを迎えている。職人たちが、蒸したり、切って形を整えたりする作業に追われている。
京都では、水無月を6月のみそかに食べる習慣が残る。諸説あるが、旧暦の6月1日の「氷の節句」に宮中で食された氷に見立てた形で、上面の小豆は疫病の悪霊をはらうとされる。
上京区の鳴海餅本店では、職人が手際よくういろうの生地を30センチ四方の枠に流し込み、途中に小豆を敷き詰めて蒸し上げていた。三角形に切れるようにピアノ線を張った枠を上から慎重に押すと、36個が一気に完成した。
同店では、30日には平常の15倍以上の8千個売れるという。同店社長の鳴海力之輔さん(50)は「作り手もお客さんと一緒に季節の節目を実感できる」と話していた。